
三相誘導電動機の運転中に欠相が発生した場合の電流値に
ついて悩んでいます。
三相誘導電動機は運転中でも、欠相した場合は電流値は三相時よりも増えます。
その電流が増える倍率や理屈について いろいろな参考書や雑誌・ネット検索を
読んで勉強しました。
そして実測もしてみましたが、完全明白な理解には至らず、
それらをもとにして推測した自分の考え方があっているかどうかについて悩んでいます。
ですので、教えてもらえないでしょうか?
では、何点かにわけて質問させてください
(1)電流の倍率は、三相と単相の電力の差である√3によるものだと考えていいでしょうか?
(同じ負荷を回転させるためには同じ電力が必要 だから約√3倍になる)
(2)(1)は参考書をもとに考えました。それに加えてある雑誌も読んでみました。
その中でも やはり(1)同様に同じ負荷を回転させるから同等の電力が必要なような
ことが記載されていました。
ただ 参考書と違うのは約2倍になるというところです。
対象座標法から解いていき単相時の電圧が0.5倍となるので電流は約2倍ということでした。
(1)の√3とどちらが正解なのでしょうか??
√3(約1.73倍)も2倍もたいして違いはありませんが なんかもやもやしています。
すいませんが 教えてもらえないでしょうか?
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
#5補足に関して。
どの雑誌かまではわかりません。電気機器を扱う雑誌は数誌程度でしょうから、その中のどれかだろうなというあたりまでは想像できますが。
理論的な取り扱いとしては、大学電気工学科での電力工学(対称三相法)、電気機器(誘導機)で習う範囲かと思います。学年としては、3,4年くらいのところでしょうか。もし、理論的な裏づけを押さえたいということでしたら、全体を網羅している解説書やハンドブックの類(全体を網羅している分、個々の事柄は簡潔にまとめられている)と、細部を記述した電力工学や電気機器の教科書を併せて読まれるのが良いかも知れません。(教科書だけだと、対称法と誘導機を関連させての把握がしにくい面もあるかと思います。)
こういうのを扱いなれている分野、となると、電力制御や回転機制御に携わられているところ(今回の問題だと誘導機の特性によるところが大きいので、回転機制御の分野かな)、ということになるかと思います。
実務で扱う、ということになると、実際の機器では非線形性があるので線形なモデルで計算した場合から若干ずれるでしょうし、それ以外の要因(たとえば、通常運転時も電圧のひずみや非対称性がある)もあるでしょうから、(理論的な背景は頭の隅に残しておくとして)ざっくり「2倍弱」という程度で良いかなと思います。
この回答への補足
何度も回答いただきましたありがとうございます。
感謝致します。
<全体を網羅している解説書やハンドブックの類(全体を網羅している分、個々の事柄は簡潔にまとめら<れている)と、細部を記述した電力工学や電気機器の教科書を併せて読まれるのが良いかも知れませ<ん。
私の身の回りでは 大学の教科書で使うような参考書しか見れないようですね。。。。
細部まで と いうのは ないように思えます。(私がわからないだけかもしれませんが・・・)
なぜそうなるのか? ということまで記載されていませんね、そこが知りたいのに
いずれにせよ まだまだ勉強が足りないようです。
電力工学の本は あまり読んでいませんので 参考に読んでみようと思います。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
ご質問文中にある、「単相時の電圧が0.5倍となるので電流は約2倍」は間違ってるように思います。
一線断線ということは、その線の電流が0になり、負荷のその線の電圧は任意になる(どんな電圧が出ても、線電流が0)ことを表していて、切れた線の電圧が0ということではありません。対称三相法で解くなら、後でも書いているように、一相の電流が0で正相電流と逆相電流が等しい、というところからスタートするべきかと思います。これで計算すると、断線前の√3倍となります。また、一相欠相した単相運転では、力率も変化する(変わらないという保証が無い)ため、三相と単相で有効電力が等しいという条件だけで電流を算出することはできません。(上記の対称三相で算出した値と「電力が等しい単相で算出」した値が同じ√3になっているのは、たんなる偶然かと思います。)
ということで、ご質問で書かれている二つの計算は、どちらも正しくない、ということになりそうです。
「正確な値」を知りたいときにがどれ位の正確さを必要とするか、も考える必要があります。
磁気飽和などの非線形性まで考慮する必要がある場合には、対称三相法は使えない(非線形だと重ねあわせの理が成立しない)ので磁束や電流の瞬時値の分布や変化を数値計算で追いかけて計算することになります。
線形と考えてよい範囲で平均トルク(平均電力)に着目して計算するなら、対称三相法を使うのが以下の点で合理的でしょう。
・トルクは磁束と電流(正確には磁界)の相互作用で発生するが、正相分の磁束と逆相分の電流(あるいはその逆の組み合わせ)によるトルクは平均値が0の脈動トルクになる。このため、正相分、逆相分、それぞれでトルクを計算すればよい。
・一相の電流が0、の条件を満たす状態を楽に計算に組み込める。
欠相したときの計算条件は、1.(つながっている相の)電源電圧が等しい、2.一相の電流が0、の二つがあります。逆相分はすべりが2近い値になり等価回路のインピーダンスが小さくなるため、逆相分の電圧は正相分と比べて小さくなるため、正相分の電圧が同じとして、2.だけを考慮して計算しても大きな誤差は出ませんが、より正確に計算するには、逆相電圧も含めて1の条件も満たすような電圧、電流を計算する必要があります。(正相電圧も若干低下し、その影響が電流にも出るでしょう。)
この回答への補足
ご丁寧な返答ありがとうございます。
このあたりのことは、市販されている基礎を解説した専門書のレベルではなく、
専門に開発や研究するレベルであると認識しましたが間違っているでしょうか?
どちらの計算も間違っているとの指摘ですが、今回のご回答を精読するに
私が手にした雑誌の解説も厳密には間違っている(もしくは複雑になるのであえて説明をさけている)
ということになるのでしょね。
(*foobarさんは この雑誌が何の雑誌かわかっているのではないかと考えています)
単純な電力計算でも確かに力率等がまったく変わらないという条件ではないと
成立しないとも思います。
他計算でも線形・非線型までも考える必要があるのであれば 複雑となりそうですね。
最後によろしければ教えていただきたいのですが、今回 教えてくださったような
レベルのことを仕事とされている方は どのような仕事(その役職等も)をされている方
になるのでしょうか?
電力会社・大学や企業の研究者・開発者のような方ですか?
No.4
- 回答日時:
参考に どちらが正解というより なぜ対称座標法かという話を
故障計算などをするのに%Zなどを使用しますが、これは対称三相の場合の%Zです。
発電機、電動機などは電磁的に各相がつながっていますが、1相地絡時の%Zとかいうものはありません。
対称座標法では正相、逆相、零相の3つに分解し、分解された正相、逆相、零相 それぞれは対称三相になっています。
そこで、対称三相としての%Zを使うことができる。と考えます。
例えば、断線して電流が「0」になっている場合でも正相分と逆相分と零相分が合成で0になっていると考えるのです。
故障中の計算については各相が電気的につながっていること、世間一般に知られているのは対称三相の場合のインピーダンスであること。
以上から対称座標法と言えると思います。
ご回答いただきありがとうございます。
非常に簡潔な説明でよく理解できました。
パーセントインピーダンスを使い計算するには、対称ではないといけないと
いうことですね。
ですから、必然的にわける必要がある。
勉強になりました。
No.3
- 回答日時:
仰られるような単純な計算ではないと思います。
なぜなら欠相になるという事は、回転磁界に影響を与えるからです。
回転磁界は、3相コイルの合成磁束であり、これにより発生する極は2の倍数になります。
この根本的な磁束が弱くなるので、電力との関係も崩れてきます。
今回の疑問は無負荷運転をさせ、回転を持続させたものだと思いますが、これに負荷が加われば回転子が停止してしまいます。
そうなれば、2次側を短絡された変圧器と同じ状態になり、2次側インピーダンスに対する1次電流が流れ、焼損してしまいます。
この回答への補足
回答いただきありがとうございます。
<この根本的な磁束が弱くなるので、電力との関係も崩れてきます。
とコメントいただきましたが
単相となり磁束が弱くなる → だから電流を増やすことで三相時の磁束をつくる
→このときの実測値・計算値が√3倍から2倍になる
と考えていたのですが、電力との関係がどう崩れるのかについても
ご教授願えないでしょうか?
No.2
- 回答日時:
非平衡三相は、負荷や回路が線形なら正相分と逆相の和で表現できます。
で、回転機がある場合には、正相と逆相で電圧やインピーダンスに違いが現れます。たとえば、誘導機の場合、正相分はトルクに寄与しますが、逆相分はすべりが2近くなり、ほとんどトルクに寄与しません。したがって、負荷トルクが同じなら、正相分がほぼ同量必要、ということになります。電流について考えると、全体で単相になるので、正相分と逆相分は同量になります。
このような挙動をまで含めて計算するには、正相分と逆相分に分けて計算する対称三相法を使う必要があります。
ちなみに、単相誘導電動機を解析する場合にも、正相分と逆相分に分けて計算したりします。
この回答への補足
返答いただきましてありがとうございます。
私が目にした雑誌にも同じようなことが書かれておりましたが、それを
更に詳細に解説してもらい理解が深まりました。
逆相分はほとんどトルクに寄与しないので三相時と同じトルクを発生させる
ことを考えるなら 正相分だけ考えて計算すればいいということですね。
重ね重ねの質問で申し訳ないのですが
<このような挙動をまで含めて計算するには、正相分と逆相分に分けて計算する対称三相法を
<使う必要があります。
このような回答をいただいたのですが、単純に電力の差からではなく、このような不平衡回路は
しっかりと正相と逆相にわけて計算し組み合わせる対称三相法を使わないと
より正確には数値が出せないということでしょうか?
(電力からでもだいたいの値はでるが、より正確な値を出したいなら対称三相法を使う
必要があるということでしょうか? の意味です)
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