No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、馬はランニングコスト(洒落じゃないですけれど)が、牛に比べて高く贅沢な乗り物だったということがあります。
ですから、いまでも世界の貧しい地域で耕作に牛が使われているのはこうした理由です。また、馬がひいているものに限らず車の使用は道路を著しく傷めるため(かつての牛車は貴族たちのみの乗り物だったためダメージは些少だった)、道路の維持管理費用がかさむという理由から江戸幕府によって使用が禁止されていました。まして、道路の維持管理がその地域に任せられていた江戸時代では道路を個人の都合ででこぼこにされたのではたまったものじゃなかったのです。
いまの時代劇ではあまり見かけなくなった場面ですが『街中を大八車で爆走する近所のバカ』を、近隣住民が問題としている点は「危ねぇよバカ」じゃなく「道が痛んで金がかかるじゃねぇかバカ」な訳です。
で、馬車の使用を禁じていなかった欧州では石畳の磨耗が激しく維持管理費が捻出できずに捨てられた街道があったり、轍に乗り上げて馬車が横転するという事故や犬などに驚いた馬の暴走による事故が多発していました。しかも、モーツァルトの短躯は成長期の旅暮らしのせいといわれるほどに振動が激しく(乗り心地をよくするサスペンションは馬車の時代の最末期に発明された)、わたしたちが想像するほど馬車というものはのんびりした安全な乗り物ではなかったし、某国の道路行政に思いが至ってしまうほどに公共財を消耗させるものだったのです。
この回答への補足
お礼とともに補足質問なのですが、車と馬車、どちらが道路を傷めるものなのでしょうか?
確かに車の方が重量はありそうですが、車によって道路が傷められると言った話はあまり耳にしないので。
何か分かれば教えていただけたらなあと思います。
回答ありがとうございますm(__)m
ありがとうございますm(__)m
なるほどー。馬車を見たことがない自分にしてみれば馬車がたくさん走れば道路が踏み固められて走りやすくなるのではないかと考えてしまうのですが、実際には道路の維持管理は大変だったんですね。
No.8
- 回答日時:
5のamuruですが補足します。
短い回答はあまり信用されないようなので。平安貴族の牛車など車を引くのは牛で、明治になるまでほとんど馬に引かせることはありませんでした。
当時の馬がモノを引くということに非力であった。東海道のように山や坂が多いと、車を引かせるより背に負わせたほうが道理にかなっていたから。
といった理由が推測できますが、実際に、馬を使役するときは、背に人や荷を乗せました。何百年に渡るそうした習慣から、馬に引かせるという発想が湧かなかったのでしょう。
幕末に欧米に派遣された幕府の使節が、馬車、とくにその馬車に人が乗っていることに驚いたのは、まさしく、彼らにその習慣がなかったためであろうと推察されています。
No.7
- 回答日時:
●江戸時代にと言っても、(江戸)日本橋から(京都)三条大橋迄、舗装はおろか簡易舗装路で、東海道が整備された訳では決して否絶対に出来得なかった、のはNO2(=NO6)さんが既に指摘されておられる通りでしょうし、
http://www.dc.ogb.go.jp/road/michiarekore/kurash … の「右下の簡易舗装の表層を除去した状態未満なら御の字の部類であったのではないか?」と私は江戸時代の路面状況を勘繰ってはいます。●そして、江戸時代の東海道の場合、箱根八里は越せても橋が架けられていない大井川や他の河川を渡らなければならぬ訳ですし、当時の橋が日本橋を含め、木造が主なのも自明です。
http://blog.so-net.ne.jp/vocalise_s_r/2007-07-17
●更に、単純に馬体重をエンジン重量と当て嵌めた時、馬車全体では相当の重さの物体の往来を余儀なくされ、道の方が音を上げていた、と推測しますし、http://www.big.or.jp/~t-shun/unbal/uw_e789/syste …によると"山岳で時速6~8km"との事ですから、思う程には費用対効果の側面で、プラスな移動手段になり得なかったのが、実情ではないか、と私自身は感じたのですが、如何でしょうか?
No.6
- 回答日時:
#2です。
車は道路を痛めるのか? という追加の質問についてお答えします。まず、車=自動車、と推測しますと、自動車は著しく道路を痛めつけます。とはいえ、わたしたちが現在一般的に利用しているアスファルトで覆われた道路ではなく、地べたです。
映画『三丁目の夕日』と同時代の田舎なぞは街中のメインストリートでさえ砂利道で、乾燥する時期ともなれば埃がいつまでも舞い、雨が降ればぬかるみができ、春先などは轍を削ったり埋めたりを繰り返して、なんとか自動車が走れる状態を維持する、といった具合だったのです。
で──高度成長期以降、わたしたちが知るような道路が作られてゆきましたが、初期のものは地べたを踏み固め砂利を敷いてさらに踏み固めその上に粗いアスファルト滑らかなアスファルトを重ねてゆく、という舗装だったのですが、これでも施工からわずか数年で剥がれだすといった程度の耐久性しかなく、現在の一般的な自動車道路ともなれば路面から一メートル以上も下から耐久性を増すような施工がされているのです(確か、自動車専用道ともなれば二メートル以上も下から施工されているとか)。
つまり、自動車が道路を余計に痛めつける分、道路も丈夫にしてあるのです。で、丈夫にした分矢鱈とお金がかかるわけです(とはいえ、田舎に住んでると、キタキツネだってでてきそうもないこんなトコにこんなに立派な道路がホントに要るのかよ? って思うことも少なくありませんが)。
ほう~。なるほど。現在どんな田舎に行っても車が走るのに苦労しない(むしろ渋滞しない分走りやすい)ので、車は道路を傷めないと勘違いしていましたが、実はそうではなかったんですね。やはり、便利さの裏には大きな対価がかかるものなんですね。ありがとうございますm(__)m
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