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- 回答日時:
「検定」の考え方を、正しく理解できていないようですね。
「検定」の考え方とは
(1)本来「棄却したい」仮説を「帰無仮説」とする。
(2)帰無仮説が正しいと仮定したときに、得られたデータが「起こりうる確率」を求める。それが「p値」。
(3)この「p値」が、通常あり得ないほど小さい(例えば0.05以下)なら、最初に「正しい」と仮定した「帰無仮説」が間違っていると判断する。
(4)従って、「帰無仮説」と反対の「対立仮説」が正しいと結論する。
ということです。「背理法(反証法)」というやつです。
「p値」が1に近い場合には、得られたデータは「帰無仮説が正しいとすれば、よくあること」となって、「どうやら帰無仮説は正しいようだ」という結論になります。
「帰無仮説」という名前から分かるように、本来は「背理法(反証法)」で「否定(棄却)」することが目的のものですから、これが「正しい(否定できない)」という結論は、「おもしろくもなんともない結論」「検定は失敗」です。
以上のように、「帰無仮説」が棄却できれば「対立仮説」が正しいと結論でき、逆に「帰無仮説」が棄却できない場合には「対立仮説」は明確に否定されます。
これに対して、「帰無仮説」が棄却できない場合に「帰無仮説が正しいことが証明される」かといえば、単に「否定できない」だけで「肯定」されるわけではありません。調べているのは「棄却できるかどうか」だけですから。
以上が回答ですが、理解できますか? おそらく「???」でしょうね。
くだらない例を使って説明を試みてみましょう。(架空のいい加減な例ですよ)
ある学校では、普通の生徒が、1週間の間に任意の他人と会う回数は、統計的に平均値10回、標準偏差5回ということが分かっています。その学校で、A君とBさんは恋仲であるかどうかを調べます。
A君とBさんは恋仲であるかどうかを検定する場合、「恋仲ではない」ことを「帰無仮説」とします。(あくまで証明したいのは「恋仲である」ということですから)
ある週にA君とBさんが会った回数を観測して、16回会っていたという結果が得られました。
これを検定するということは、帰無仮説が正しい(A君とBさんは恋仲ではない)という条件で「16回会っていた」ことが、統計的に「明らかにおかしい」「明らかにあり得ないこと」かどうかを調べるということです。
この場合には、「標準偏差5回」に対して、平均値より6回多い(つまり、標準偏差の1.2倍)の「p値」は「0.23」ということになり「p<0.05 なら棄却」という基準からは棄却できません。(この「p値」は「正規分布表」という表から求められます)
従って「恋仲ではない」を棄却できないので、「恋仲だ」という断定することはできない、というのが結論です。
あくまで「恋仲だということはできない」というのが結論であって、「恋仲ではないことが証明された」ではないのです。だって、平均10回に対して16回も会っているのだから、ちょっとあやしいといえばあやしい。
ちなみに、この例であれば、20回以上会っていれば「p<0.05 」になって帰無仮説は棄却され、2人は「恋仲だ」と判断されます。(平均値から、標準偏差の2倍以上離れていれば、5%以下の出現確率なので「めったにないこと」と判定される。ちなみに「p値<0.05」とは、この「5%以下の出現確率」ということです)
「検定」って、中身はこういうことなのです。あくまで、「平均値」と「標準偏差」から、その「観測値」が「明らかにあり得ない」と言えるかどうかを判断しているだけです。
統計って、「考え方」を分かっていないと、生半可な知識や公式では役に立ちません。こんなサイトで(本も出ていますが)一通り「考え方」を把握してはいかがでしょうか。通称「ハンバーガー統計」。
http://kogolab.chillout.jp/elearn/hamburger/
「検定」については、第3章~ですね。
詳しく説明して頂きありがとうございます。
正規性の検定において、得られた結果を正規分布と比較して「2群間に有意差は無い」という帰無仮説を採択することで正規性があるかを調べる
という方法を見たことがあるので帰無仮説を採択する=肯定するものだと思っていました。
確率が高いというだけですね。
例まで書いて頂きありがとうございました。
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