
釣合い鉄筋比とはコンクリートと鉄筋が同時に許容応力度に達するときで
「引張鉄筋比が釣り合い鉄筋比以下の場合」とは
引張側鉄筋が圧縮側コンクリートより先に許容応力度に達すること、
とあります。
ここまではわかります。
さて、これからなのですが
この理屈はコンクリートが先に許容応力度に達するともろい破壊
となるためねばりのある鉄筋が先に許容応力度に達するようにする。
と言うことのようですが、ここからが疑問です。
許容応力度に達した時点ではまだ安全率があるので
実際の降伏に至るまではまだ先がありますよね?
なのになぜ
「引張り鉄筋の降伏が圧縮コンクリートの降伏よりも先に達するようにする」と言う考え方ではないのでしょうか?
そうでないとお互いの許容応力度の時点から降伏の時点に至るまで比例関係でなければ
崩壊時の安全性がなりたたないような気がするのですが。
あとこの理屈は
梁の強度はねばりのある鉄筋で決まれば安全と言うことですが
なんとなく逆にPt≧Ptbにしてやればコンクリートが圧壊したあとに
鉄筋が粘りよく踏ん張ってくれそうでこっちの方がよさそうな気がするのですがなぜこの理屈ではだめなのでしょう・・・
以上、長文ですがよろしくお願いいたします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
今日は cyoi-obakaです。
>靭性崩壊と脆性崩壊の意味はわかるのですが、これは相反する意味ですが、
>片や「(靭性)させる」で片や「(脆性)させない」と言うことなので
>結局片方を否定させることで同じ意味になってしまうような気がしました。
正解です!!
>なるほど終局破壊時にどっちを先行させるのかではなく
>崩壊パターンを瞬時破壊ではなく時間差破壊させると言うことですね。
大正解です!!!
鉄筋コンクリート造は、鉄骨造のように部材自体が塑性変形能力を持っていませんから、厄介な構造なのですヨ!
つまり、鉄筋とコンクリートの複合部材(構造材)ですから、計算のモデル化が難しいのですネ。
その点では鉄骨は単一部材ですから、変形や崩壊系の把握が単純で解析しやすいです。
一度に全部理解するのは、誰でも困難な事です!
入りは、大まかな流れが理解出来れば充分ですヨ。
私なんか、20年以上前に構造設計の実務から手を引いていますから、
現在の実務がどのようなものかは、正直判らないです。
現役の構造屋さんが話している内容を聞いて、その意図を理解する程度です。
ただ、昔勉強した事自体が変ってしまったのではありません。
例えば、終局設計も私が学生の時に学んだ内容と全く同じです。
コンピュターの普及で、一般実務で行えるように成っただけの事です。
基礎をしかり理解していれば、未来は明るいと思います。
あなたが構造屋さんに成るのか?意匠屋さんに成るのか?は別問題として、一歩一歩前進しようとする気持ちを大切にして欲しいです!!
最近の設計屋さんは、資格を取る事に目標を置いている方々が多過ぎるように感じられます。
「焦らずマイペース」で行きましょう!
さすれば自然と資格があなたの手に舞い降りてくる筈です。
頑張って下さい。
実力の有る設計士に成って下さい。
>あと、いつも解決後すぐに締め切らないのはまだ他の方の回答を待っているのではなく、お礼と共にすぐに締め切っちゃうと、
>もし解釈等の間違いがあれば是正回答できないかと思うので、しばらくたってからの締め切りにさせていただいてます。
このような事は気にしなくて良いのです!
私の回答が全て正解とは思ってません。
どなたかが、それは違う!とダメ出ししてくれた方が、私の勉強にも成りますから…………
以上です。
No.4
- 回答日時:
今日は cyoi-obakaです。
>「靭性崩壊させるため」と「コンクリートを圧縮破壊させないため」
の部分がどう違うのかが今一まだわかりませんが
靭性崩壊(破壊)という崩壊系は、通常梁の曲げ崩壊の事を指します。
それに対して、脆性崩壊(破壊)とは、コンクリートの剪断破壊や圧縮破壊の事を指すのです。
「靭性がある」という表現をしばしば耳にするでしょう。
これは、部材に曲げ降伏ヒンジが生じた後の変形能力(エネルギー吸収量)が大きい事を意味してます。
RC造の建物は、この変形能力を鉄筋の伸び能力に依存しているのですが、
鉄筋が伸びている間、コンクリートは徐々にクラックが進行し、圧縮を受ける断面が減少していきます。
最終的には、コンクリートの圧縮破壊が先か?鉄筋の破断が先か?は判りません!
ただ、このような崩壊(梁の曲げ崩壊系)は、部分的に発生しても外力エネルギーを消費(吸収)する能力を保持しているのです。
ところが、コンクリートの剪断破壊や圧縮破壊が発生してしまうと、部材としての形状を維持出来ませんから、瞬時に部材破壊となる(脆性破壊)。
鉄筋は、コンクリートに包まれている事で、鉄筋の籠形状を維持してその能力を発揮しているのです。
極端に言えば、鉄筋だけでは曲げモーメントを負担出来ないのです。
>この目的は、鉄筋さえ先に降伏させればコンクリートにはその先
>それ以上負担応力がかからないため鉄筋降伏後の塑性変形能力
>(降伏比の大小)はこの場合直接関係ないと言うことなのでしょう
か?
コンクリートには降伏という概念が無いのですヨ! 応力ー歪み曲線で明白です。
コンクリートの長期許容応力度fc=F/3、短期許容応力度sfc=2F/3と決めているだけの事です。
仮に、鉄筋の引張強さを1とすれば、その降伏点(短期許容応力度)は約2/3、長期許容応力度は約1/3ですね!
では、コンクリートの圧縮強さを1とすれば、短期許容応力度は約2/3、長期許容応力度は約1/3です。
そして、Ptbは、ヤング係数を等価にして計算しているので、応力ー歪み曲線の弾性域の勾配は同じです。
従って、鉄筋降伏時でコンクリートが短期許容応力度を超えてなければ、
鉄筋もコンクリートも終局強度までは残り1/3以上の余裕があるとなる(比率的には同じです)。
ただし、塑性後の応力ー歪み曲線は同一には成りませんから、部材の変形限界まで漸増載荷によって求めて行くのです(保有耐力算定)。
終局破壊が、鉄筋の破断が先か? コンクリートの圧縮破壊が先か?は実際は判りません!!
ただ、計算上は鉄筋の破断で終局にしたい! と思っている。
と言うのが本音かな~?
こんな程度よ! 建築の構造設計なんてネ!
「仮定で始まり、仮定で終わる!」
なんせ相手は自然ですから…………
そして、建築は予算有りきの経済活動ですから…………
やればやる程、虚しく成るのが構造設計!
理解すればする程、不安に成るのが構造設計!
以上です。
夢、破れちゃいましたか? でも誰かがやらねばならない事ですからね~!!
ありがとうございます。
靭性崩壊と脆性崩壊の意味はわかるのですが、これは相反する意味ですが、片や「(靭性)させる」で片や「(脆性)させない」と言うことなので結局片方を否定させることで同じ意味になってしまうような気がしました。
>終局破壊が、鉄筋の破断が先か? コンクリートの圧縮破壊が先か?は実際は判りません!!
ただ、計算上は鉄筋の破断で終局にしたい! と思っている。
と言うのが本音かな~?
なるほど終局破壊時にどっちを先行させるのかではなく
崩壊パターンを瞬時破壊ではなく時間差破壊させると言うことですね。
ありがとうございました。
あと、いつも解決後すぐに締め切らないのはまだ他の方の回答を待っているのではなく、お礼と共にすぐに締め切っちゃうと、もし解釈等の間違いがあれば是正回答できないかと思うので、しばらくたってからの締め切りにさせていただいてます。
No.3
- 回答日時:
#2の追伸
鉄筋の短期許容応力度=最小降伏応力度(鉄筋には最大及び最小降伏応力度があり、通常が平均値が降伏応力度となる)だから、
短期時のPtbは、鉄筋が降伏する直前で算定している事に成るよ!!
>この考え方は靭性崩壊させることを目的としたものですよね?
これはちょっと違ってまして、コンクリートを圧縮破壊させないためです。
つまり、鉄筋が降伏した段階では、絶対にコンクリートを圧縮破壊させないための指標と考えて下さい。
この概念は、弾性設計でも塑性設計でも共通事項です。
以上、追加終わりです。
ありがとうございます
ちょっと難しいですぅ。^^;
いつも偉そうな質問をしますが頂く回答を理解できる能力がまだまだないです・・・ゞ
「靭性崩壊させるため」と「コンクリートを圧縮破壊させないため」
の部分がどう違うのかが今一まだわかりませんが
鉄筋の降伏までコンクリートは圧壊させないと言うことは
この目的は、鉄筋さえ先に降伏させればコンクリートにはその先
それ以上負担応力がかからないため鉄筋降伏後の塑性変形能力
(降伏比の大小)はこの場合直接関係ないと言うことなのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
今晩は cyoi-obakaです。
>この考え方は靭性崩壊させることを目的としたものですよね?
>それならば降伏時状態で考えないと意味がないような気がするのですが…
元々塑性設計をするスタンスで解析を行う場合(現在の構造設計の大半は塑性域の設計ですが)は、
鉄筋の引張り降伏強度とコンクリートの圧縮強度の関係で釣合鉄筋量が決まるのです。
その方法は、ヤング係数比nによって、コンクリートと鉄筋を等価のものとして扱っているので、問題はないのです。
また、釣合鉄筋比は使用する鉄筋とコンクリートの組合せによって支配されます。
これで、鉄筋の降伏までコンクリートは圧壊しないとする指標になるのですネ!
しかし、昔は殆どの建物が、許容応力度設計(弾性設計)でしたので、fc/ftで判定して釣合鉄筋比を求めていたのです。
ところが、塑性設計(終局強度設計)の概念が規準化され、
コンクリートが終局状態の釣合鉄筋係数qbと鉄筋が引張り降伏する限界の鉄筋係数q=pt・σy/Fc (pt:引張鉄筋比、σy:鉄筋の降伏強度、Fc:コンクリート設計基準強度)の関係が、
q ≦ qb である事が条件になるのですね!
つまり、あなたの言ってる事は、正解なのです(許容応力度設計の範囲では)。
また、現実的にその様に解析しているのです。
ただ、表現がfc/ftとされてるので、勘違いしてしまうのですヨ!
#1で、
許容応力度設計をする場合は、材料の許容応力度!
終局強度設計をする場合は、材料の降伏応力度!
と言ったのは、この違いだったのです。
ちょっと説明が足りなかったですね! すみません^^:
質問文を読んだ時、崩壊系の事が気に成ってしまって、肝心な事を飛ばしてしまいましたね!!
以上です。
No.1
- 回答日時:
今日は cyoi-obakaです。
だんだん質問内容のレベルが高く成ってきましたね~! 勉強の進み具合が判りますヨ^^!
これは、部材(特に梁材)設計の基本概念なんですネ!
>「引張り鉄筋の降伏が圧縮コンクリートの降伏よりも先に達するようにする」と言う考え方ではないのでしょうか?
この点は、弾性領域の設計をするか、塑性領域の設計をするかの違いです。
許容応力度設計をする場合は、材料の許容応力度!
終局強度設計をする場合は、材料の降伏応力度!
が、それぞれの検証指数と成るのですね!!
さて、問題はこの質問ですヨ~
>なんとなく逆にPt≧Ptbにしてやればコンクリートが圧壊したあとに鉄筋が粘りよく踏ん張ってくれそうで
>こっちの方がよさそうな気がするのですがなぜこの理屈ではだめなのでしょう・・・
コンクリートが圧縮崩壊してしまうと、その時点で部材崩壊(急激な崩壊)となってしまいます。
これでは、鉄筋の存在は無意味に成ります。
通常、梁部材は曲げ崩壊系であることによってその部材の形が維持され、その後の塑性変形へと進むのです。
この塑性変形は鉄筋の塑性変形ですが、この変形量が塑性耐力(エネルギー)になるわけですネ!
ヒンジという言葉を知ってますよね?
建物の保有耐力を算定する場合に使われる語句ですが、
これは、コンクリートの圧縮崩壊ではなく、曲げ崩壊の事です。
曲げ崩壊とは、梁に曲げモーメントが生じて、梁内部に中立軸を境に圧縮と引張りの応力が発生しますが、
ある時点でコンクリートに曲げクラック(引張り亀裂)が生じます。
この時がコンクリートの引張り降伏であり、後は鉄筋の降伏を待つだけの状態となる。
そして、鉄筋が降伏に達した時が梁の降伏(曲げヒンジ発生)となる。
ただ、その後も鉄筋は塑性変形を続け、最後は鉄筋の破断かコンクリートの圧縮破壊で部材の破壊(崩壊)に至るわけです。
以上が、梁崩壊の理想です!
つまり、コンクリートの圧縮破壊は部材の最終崩壊ですから、絶対に避けなければならない!!
以上です。判りましたか?
師匠!
いつもどうもです。
近くなら直接弟子入りしたいですわ^^ヾ
>この点は、弾性領域の設計をするか、塑性領域の設計をするかの違いです。
僕もはじめはそう思ったんですが
この考え方は靭性崩壊させることを目的としたものですよね?
それならば降伏時状態で考えないと意味がないような気がするのですが…
たとえば鉄筋を先に許容応力度に達するようにしても
その鉄筋は降伏後、塑性しながらもモーメントを負担できる一定の剛性を保っているはずなので、その間にコンクリートが破壊してしまうと意味がないと思うのですが。。
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