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発酵食品が体に良いと聞いたので毎日食べるようにしようと思ってるのですが、発酵食品は加熱して食べたら有効菌は死滅してしまうのでしょうか?
例えばキムチ鍋や沸騰させた甘酒など。
栄養素と加熱調理について教えて欲しいです。

A 回答 (2件)

ちょっと勘違いされているように思えます。

発酵食品というのは、酵素を作用させて加工した食品という意味なのです。その発酵食品の一部には、有効な菌が持っている消化酵素の働きで糖質やタンパク質を分解するものもありますが、それはあくまで一部に過ぎません。例えば、イカの塩辛も発酵食品なのですが、それはイカの肝臓に元々含まれている消化酵素を利用しているのであって、何の細菌が関係しているわけではありません。一般に発酵食品は、酵素が糖質やタンパク質を分解した成果物を目的としているのであって、酵素を持っている細菌や酵素自体が目的だというわけではありません。細菌の役割は酵素を作ったことだけで終わっているのであって、細菌自体に意味があるのではありません。ただし例外もあって、乳酸菌や納豆菌はそれ自体が人体に有用だとして有用菌とか呼ばれています。

ここまでの話を整理すると発酵食品には、細菌、酵素、酵素の成果物の3要素があることになりますが、細菌は必ず伴うわけではないし、すべての細菌が有用とは限らないということになります。

つまり発酵食品と大雑把にくくっては話が進まない。個々の食品ごとに、検討する必要があります。

たとえばカマンベールチーズも発酵食品ですが、カマンベールチーズは細菌ではなくて白カビの酵素を作用させることでチーズを熟成させる食品ですが、白カビそのものが有用だというわけではないのです。

例えばキムチ鍋はどうか。当然ながら調理の過程で、乳酸菌は死滅してしまいます。しかしそもそも乳酸菌は生きたまま摂取したところで大半は胃酸によって死んでしまう。また乳酸菌は死んでも人体に有用だとされているのです。だからキムチはあえてキムチ鍋にして食べる意味はないかも知れませんが、キムチ鍋にしては意味がないというほどのこともないわけです。

甘酒には発酵食品である甘酒と発酵食品でない甘酒の二種類存在します。米こうじと米を原料とする甘酒が前者で、酒粕を原料とするのが後者です。ここでは前者にしぼって議論しますが米麹は有用でも有害でもどちらでもないので、生きてようと死んでようとどちらでも問題ありません。それを気にする意味がない。

発酵食品に共通する価値は、でんぷん、タンパク質、脂質といった分子量の大きな物質を口に入れる前に酵素の作用で、より小さな物質に分解することにあります。たとえばでんぷんを分解すればアルコールやブドウ糖などの分子量の小さい物質が生成されます。タンパク質を分解すればアミノ酸になります。人体は分子量の大きな物質を取り込むことができないので、胃や腸などの消化器官によって分解するわけです。発酵食品は口に入れる前から予め分解されているから、人体にとっては手間が省けて、余計なエネルギーを消費しないで済むわけです。事前に発酵させることで、消化にかかる負担を軽減できることが大きな意味なのです。またブドウ糖は甘味、アミノ酸の一部のグルタミン酸は旨味成分ですから、美味しく食べることができます。この2つが発酵食品の大きな目的なのです。さらに一部の発酵食品には、細菌や酵素も人体にとって有用だという意味があります。

例えばナットウキナーゼは納豆だけに含まれる酵素ですが、血栓溶解作用によって脳梗塞を予防するといわれています。酵素は加熱すると失効してしまうので納豆に限れば、加熱しないで食べることは有効です。

ついでにいえば、酵素もタンパク質の一種です。だからナットウキナーゼを摂取したところで、どちらにしても消化されてしまいます。しかしナットウキナーゼは人体の消化機能によって分解されつつも、その機能を失わないのです。タンパク質は、複数のペプチドから構成され、ペプチドは複数のアミノ酸から構成されています。ナットウキナーゼの持つ血栓溶解作用は、ペプチドが持つと考えられています。

タンパク質は非常に分子量が大きくて、人体は多くの酵素の役割分担と流れ作業によって何段階にもわたってアミノ酸にまで分解しています。だからタンパク質を消化する為には膨大なエネルギーが消費されます。一般に大豆や肉類が消化に良くない、表現を変えれば腹持ちが良いというのは、そういったことなのです。それが発酵によって少しでも分解されていれば体に優しいといえるわけです。

話はちょっと変わりますが、私たちは発酵食品に限らず、日常の食事で意識するか意識しないにかかわらず、有用菌も有害菌も摂取しています。例えば、牛乳が加熱殺菌されていることは一般に知られていると思うのですが、それでも細菌の数は0になるわけではない。私たちは意識していなくても細菌やカビが生成した毒も一緒に食べています。それを人体の解毒作用で、処理しきれない場合に食中毒といった具体的な症状にあらわれるだけなのです。解毒能力には個人差があるので、同じものを食べても食中毒で死ぬ人もいれば、なんともない人もいます。加熱したところで100万の細菌が全て死滅して0になるわけではありません。それは発酵食品でも同じことです。ごく僅かでも生き残り、条件が整えば、細菌は繁殖するのです。

とりあえず、このへんでいいですかね。
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この回答へのお礼

素晴らしい、ご回答ありがとうございます。

発酵食品は酵素や細菌だけが目的でなく、酵素が分解した成果物を目的としているとは知らなかったです。凄く勉強になりました。
他にお薦めの発酵食品や食べ方を教えて頂いたら嬉しいです。

お礼日時:2012/02/28 18:54

 >発酵食品が体に良いと聞いたので毎日食べるようにしようと思ってるのですが、発酵食品は加熱して食べたら有効菌は死滅してしまうのでしょうか?



 加熱すれば死にます。滅するかどうかは、条件によります。
 キムチは乳酸菌ですよね。甘酒は麹(カビの1種)だったかと思います(うろ覚え)。菌により、死滅する条件が違いますので、死滅するかどうかは、加熱するときの温度、時間、水分量、酸性度などの環境要因によると思います。
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この回答へのお礼

素晴らしい、ご回答ありがとうございます。

発酵食品は酵素や細菌だけが目的でなく、酵素が分解した成果物を目的としているとは知らなかったです。凄く勉強になりました。
他にお薦めの発酵食品や食べ方を教えて頂いたら嬉しいです。

お礼日時:2012/02/28 18:50

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