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割裂試験の応力を求める式は、
σ =(2P)/(πdl)
σ:応力
P:荷重
d:直径
l:円柱の長さ
で求めることができると参考書などに書いてありますが、この式を導き出す過程がわかりません。よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

#1です。

どなたか,うまい説明をして頂けないかと期待していたのですが,おられないようなので,私が,説明のを努力をしてみます。

シリンダ試験体を横にしますが,この時シリンダの軸方向から断面を見ると,円形になります。この円の直径を(d),シリンダの長さを(L)とします。この円の頂点を(A)点とし,円の中心を通る垂線上の最下点を(B)点とします。この時,(A)点に線荷重(P)を作用させると,(B)点=支持点に反力(P)が生じます。荷重を増加させると,シリンダは,垂線(A-B)に沿って破壊しますが,この破壊時の荷重(P)を用いて試験体の引張強度を求めるのが,割裂引張試験です。この試験は,圧縮によって,引張強度を求めるには,基本的には極座標における2次元問題の円盤応力理論を用います。

この円の円周上の任意の点を(M)とすれば,(A),(B),(M)を頂点とする三角形(A-B-M)を描くことが出来ます。ここで,線分(A-M)の長さを(r1),線分(B-M)の長さを(r2)とし,角(M-A-B)を(α),角(M-B-A)を(β)とします。

この時,応力が,力の作用点(A)から放射状に分布すると仮定すれば,作用点(A)から(α)だけ離れた点(M)は,単純圧縮を受け,その応力成分は,Flamantの解より,(r1)の方向に,
P0=P/L
σr1=(2・P0・cosα)/(π・r1)
となります。同様に,(r2)の方向に,
σr2=(2・P0・cosβ)/(π・r2)
となります。
ここで,(r1)と(r2)は互いに垂直なので,
(cosα/r1)=(cosβ/r2)=(1/d)
が成り立ちます。この関係を,上式に当てはめると,
σr1=σr2=(2・P0)/(π・d)
となり,(M)点の圧縮応力となります。

ここで,(M)点を,円の中心を通る水平線上の任意の点(N)に移動すれば,三角形(A-B-M)は,三角形(A-B-N)になり,点(N)を頂点とする2等辺三角形になります。2等辺三角形になったので,
(r1=r2=r) かつ (α=β)という条件を設定でき,
点(N)の水平方向の応力を(σx),鉛直方向の応力を(σy)とすれば,
σx=-(4P0/π)・(sinα・sinα・cosα/r)+(2P0/πd)
σy=-(4P0/π)・(cosα・cosα・cosα/r)+(2P0/πd)
となります。

ここで,円の中心を通る垂線上で,円の中心から(y)だけ離れた任意の点(Q)の応力分布は,
r1=d/2-y, r2=d/2+y, α=β=0
の条件で求められ,
σx=(2P0)/(πd)
σy=-(8・P0・d/π)・(1/(d^2-4y^2))+(2P0)/(πd)
となります。

ここで,(σx)は,線分(A-B)に沿う一様な引張張力を示し,σyは円の中心を通る水平線上の圧縮応力分布を示しています。

最後に,シリンダの長さを考慮した(P0=P/L)を代入すれば,
σt=(2・P)/(π・d・L)
が得られます。

この式を導く一連の過程を記述した書籍を,見つける事は出来ませんでしたが,#1の書籍とティモシェンコの弾性論(コロナ社)を参考にしました。
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申し訳ないですが,図がないと説明できません。


構造材料実験法・谷川恭雄(代表)・森北出版(2003)
9.3引張強度試験(P187~)
を,ご覧ください。
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