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いつもお世話になっています。
A.Waleyの『TALE OF GENJI』(帚木 The Broom-Tree)から
わからないところと訳の間違っているところを教えていただければと思います。

1)

『At last he took the letters back, saying, ”But you too must have a large collection. Show me some of yours, and my desk will open to with better will.” ”I have none that you would care to see,” said To no Chujo, and he continued:』

●やっと源氏は手紙たちを取り戻した。「しかしあなた(頭中将)も大きな収集を持っているに違いない。私にあなたの手紙のいくらかを示して下さい、そうすれば私の机はよりよい気持ちを持ってあなたに開くでしょう」と言って。「私はあなたが見たがるであろうものは持っていません。」と頭中将は言った。そして彼は続けた・・・・・?

my desk~・・・・・「私の机~」と直訳するとちょっと不自然な訳になってしまう感じです。源氏が気持ちよく手紙を見せますよ、と言ってると思うのですが。

I have none that you would care to see・・・・ここの「would」の用法がよくわかりません。(仮定条件を言外に含んだ帰結)(婉曲・丁寧な表現)の「・・・であろう」を選択して訳しましたが。

「care」は「・・・したがる」?

2)

『” I have at last discovered that there exists no woman of whom one can say 'Here is perfection. This is indeed she.'” There are many who have the superficial art of writing a good running hand, or if occasion requires of making a quick repartee.』

●「私はついに ”ここに完璧がある。これはまさに彼女だ” と人が言うことができる女性は存在しないということを悟りました。」良い走り書きで書いている見せかけの芸術を持っているたくさんの人がいる。もしくはもし機会が早い軽妙な即答を作ることを要求するなら。・・・・?

that there exists no woman of whom one can say・・・・ここの中の「of」は「say」の後ろにつく「of」ですか?(one can say of no woman who exists there)

writing a good running hand・・・・・「writing」は動名詞ですか?「良い走り書き【で】書いている」と訳していいのでしょうか?

or if occasion requires of making a quick repartee・・・・or if~は「もしくはもし~」?

if節があってそのあとに文が続かないのはなぜでしょうか?「There are many who have the superficial art of writing ~」がif節の続きになるところなのでしょうか?

「occasion」は「機会」でしょうか?不可算名詞になっているのでちょっと疑問なのですが。

3)

『But there are few who will stand the ordeal of any further test. Usually their minds are entirely occupied by admiration for their own accomplishments, and their abuse of all rivals creates a most unpleasant impression.』

●しかし何か更に一層の厳しい試練に立ち向かうつもりの人はほとんどいない。日頃は彼らの心は彼ら自身の教養に対する称賛によって完全に占められている。そしてすべての敵の彼らの悪口は最も不愉快な印象を生みだす・・・・・?

their abuse of all rivals creates a most unpleasant impression.・・・・・敵の悪口を言うことは不愉快な印象を生みだす、ということですか?

完璧な女性は存在しない、ということを登場人物の言葉を借りて紫式部は言いたかったようですね。

よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

今晩は。

いつも丁寧なお礼をありがとうございます。スーパーに行きますと、クリスマスとお正月が並んでいて、ちょっと興ざめですね。

1)『At last he took the letters back, saying, ”But you too must have a large collection. Show me some of yours, and my desk will open to with better will.” ”I have none that you would care to see,” said To no Chujo, and he continued:』
>やっと源氏は手紙たちを取り戻した。「しかしあなた(頭中将)も大きな収集を持っているに違いない。私にあなたの手紙のいくらかを示して下さい、そうす れば私の机はよりよい気持ちを持ってあなたに開くでしょう」と言って。「私はあなたが見たがるであろうものは持っていません。」と頭中将は言った。そして 彼は続けた・・・・・?

●完璧です。

>my desk~・・・・・「私の机~」と直訳するとちょっと不自然な訳になってしまう感じです。源氏が気持ちよく手紙を見せますよ、と言ってると思うのですが。

●言っている意味は、おっしゃっている通りですが、少し気取っているわけですね。原文も「そこにこそ多く集へたまふらめ。すこし見ばや。さてなむ、この厨子も心よく開くべき」ですので、やはりしょってますね。

>I have none that you would care to see・・・・ここの「would」の用法がよくわかりません。(仮定条件を言外に含んだ帰結)(婉曲・丁寧な表現)の「・・・であろう」を選択して訳しましたが。

●その通りです。正解です。wouldを抜かすと、頭中将は、源氏が読みたがる手紙を確実に分かっていることになってしまい、ちょっと僭越とうか、どうしてそこまで分かるのかという疑問が読者に生じます。

>「care」は「・・・したがる」?

●その通りです。care about~だと心配のほうの意味ですが、care for ~ や care to do は、「~(するの)を好む」の意味です。


2)『” I have at last discovered that there exists no woman of whom one can say 'Here is perfection. This is indeed she.'” There are many who have the superficial art of writing a good running hand, or if occasion requires of making a quick repartee.』
>「私はついに ”ここに完璧がある。これはまさに彼女だ” と人が言うことができる女性は存在しないということを悟りました。」良い走り書きで書いている見せかけの芸術を持っているたくさんの人がいる。もしくはもし機会が早い軽妙な即答を作ることを要求するなら。・・・・?

●完璧だと思います。

>that there exists no woman of whom one can say・・・・ここの中の「of」は「say」の後ろにつく「of」ですか?(one can say of no woman who exists there)

●そうです。「~について」という意味の of です。関係詞節だけを見れば、One can say of the woman, 'Here is perfection’. ということです。

>writing a good running hand・・・・・「writing」は動名詞ですか?「良い走り書き【で】書いている」と訳していいのでしょうか?

●of という前置詞の後にありますので、絶対に動名詞です。of はこの場合「同格の of」で、上手な草書体を書くという技術、という意味です。

>or if occasion requires of making a quick repartee・・・・or if~は「もしくはもし~」?

●その通りです。「あるいは、もし…なら」と訳してもいいです。

>if節があってそのあとに文が続かないのはなぜでしょうか?「There are many who have the superficial art of writing ~」がif節の続きになるところなのでしょうか?

●if節の帰結節を省略しています。全部書けば、if occasion requires of making a quick repartee, there are many who can do that. です。There are many who have the superficial art of writing a good running hand, or if occasion requires of making a quick repartee.の部分で言いたいのは、「うわべを見れば、手慣れた崩し字を書いて見せる女性も多いし、必要とあらば、軽妙な受け答えのできる女性も多い。しかし…」ということです。

>「occasion」は「機会」でしょうか?不可算名詞になっているのでちょっと疑問なのですが。

●「機会」の意味でも、可算、不可算の両方の場合があるようです。ここは「必要性」の意味で、不可算だけです。if occasion arises とか if occasion requires は半ばイディオム化しています。

3)『But there are few who will stand the ordeal of any further test. Usually their minds are entirely occupied by admiration for their own accomplishments, and their abuse of all rivals creates a most unpleasant impression.』
>しかし何か更に一層の厳しい試練に立ち向かうつもりの人はほとんどいない。日頃は彼らの心は彼ら自身の教養に対する称賛によって完全に占められている。そしてすべての敵の彼らの悪口は最も不愉快な印象を生みだす・・・・・?

●stand以外完璧です。standは「耐える」という意味でしょう。

>their abuse of all rivals creates a most unpleasant impression.・・・・・敵の悪口を言うことは不愉快な印象を生みだす、ということですか?

●女性がライバルの女性の悪口、たとえば「あの人は、顔はきれいだが、頭は悪い」とか「あの人は、頭はいいけど、不細工だ」など、を男が聴いていると、嫌な気持ちになるということです。

>完璧な女性は存在しない、ということを登場人物の言葉を借りて紫式部は言いたかったようですね。

●そうですね。それに加えて、男が自分たちのことは棚に上げて、いい気になって女性の評釈をしているのも同時に皮肉なまなざしで見ているでしょう。私はジェイン・オースティンと紫式部が出会ったとしたら、意気投合したと思います。二人とも、視線が深いところに届きながら、それを奥ゆかしく暗示に留めるところがあります。

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《余談》脱線の脱線になりますが、前回の地震のお話で思い出したことを書きます。annus mirabilis たる 1922年の翌年の 1923年は、ご存知、関東大震災の年です。吉村昭『関東大震災』を読みますと、この災厄の全体像がよく調べて描いてあり、大地震になるとどうなるか、想像しやすくなると思います。本所の元陸軍被服廠の惨劇は教科書で大体の輪郭は知っていても、どのようであったかはこの本を読んで初めて目に思い浮かべることができるようになりました。流言蜚語についても同様です。

 しかしそれはともかく、この大震災によって、江戸の名残は一掃され、モダンな東京が新生してくることになります。自動車や文化住宅というのがその象徴で、『となりのトトロ』にでてくるような洋風建築が流行になるわけです。1923年は、日本のannus mirabilisだったわけですね。(つづく)
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この回答へのお礼

今晩は。もうすでにお正月の物が並んでいるんですね。(私はまだ目にしていませんが)季節感がなくなっている感じですね。

いつも大変丁寧に回答を下さってありがとうございます。

「my desk will open to with better will.」は原文でも「この厨子も心よく開くべき」なんですね。

「would」の用法については「過去における~」ではないと思ったので消去法で残ったうち、(仮定条件を言外に含んだ帰結)の「would」が一番訳にはまりそうだと思ったのですが、「would」を抜かして訳した場合というのを考えるとよかったのですね。

(関連・限定)の「of」“~について”と(同格関係)の「of」“~という”を説明していただきましたが、「of」も細かい意味があるのですね。「running hand」は「草書体」だったのですね。

「if occasion requires of making a quick repartee」の後は「軽妙な受け答えのできる女性も多い」(there are many who can do that)の帰結節が省略されていることがわかりました。
「if occasion requires ~」を「機会が必要とするなら~」と訳すとすっきりしませんでしたが、「必要とあらば~」と訳すと文が通りますね。

「stand」は「耐える」、「・・・をがまんする」「・・・をしんぼうする」ですね。

「their abuse of all rivals creates a most unpleasant impression.」は頭中将が話しているので「男が聴いていると、嫌な気持ちになる」ということなのですね。

ジェイン・オースティンはイギリスの作家ですね。今度読んでみたいと思います。

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関東大震災の被害は火事が主だったと思います。「元陸軍被服廠の惨劇」も猛火によってたくさんの命が奪われてしまいましたが、『関東大震災』を読むと詳細がわかるのですね。貴重な本ですね。吉村昭はまた厖大な作品を残した作家ですね。流言蜚語についてはいろいろなデマによって多くの朝鮮人の方が犠牲になりました。こういう歴史は二度と繰り返したくないです。

大震災を境に東京もモダンになったのですね。江戸の名残が一掃されてしまったのは少し残念でもありますが。『となりのトトロ』は今度またテレビで放映されることがあったらよくその洋風建築を見てみたいと思います。1923年は、日本のannus mirabilis(驚異の年)だったのですね。

(明日また投稿します)

お礼日時:2012/12/12 00:30

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