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 法人(3月決算)が不動産使用料を年払いで頂く場合、不動産使用料の計上時期はいつでしょうか?
 具体的には、平成18年3月に平成18年4月分から平成19年3月分までの不動産使用料を年払いで頂く契約になっています。この場合平成18年3月に決算が来てしまうのですが、平成18年3月期あるいは平成19年3月期のどちらの事業年度に計上すればいいんでしょうか?

A 回答 (3件)

不動産使用料の帰属の時期について、法人税基本通達で次のように定めています。



(賃貸借契約に基づく使用料等の帰属の時期)
2-1-29 資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等の額は、前受けに係る額を除き、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、当該契約について係争(使用料等の額の増減に関するものを除く。)があるためその支払を受けるべき使用料等の額が確定せず、当該事業年度においてその支払を受けていないときは、相手方が供託をしたかどうかにかかわらず、その係争が解決して当該使用料等の額が確定し、その支払を受けることとなるまでその収益計上を見合わせることができるものとする。(昭55年直法2-8「六」により追加)
(注) 使用料等の額の増減に関して係争がある場合には本文の取扱いによるのであるが、この場合には、契約の内容、相手方が供託をした金額等を勘案してその使用料等の額を合理的に見積もるものとする。

基本的には契約により支払を受けるべき日の属する事業年度の益金の額に算入すべき事とされていますが、上記通達の冒頭に「前受けに係る額を除き」とありますので、今回のケースは全額が前受に該当する訳ですので、翌期、すなわち平成19年3月期の益金として処理すべき事となります。
(従って、当期は前受金として処理すべき事となります。)

この回答への補足

早速のご回答ありがとうございます。kamehenがおっしゃるとおりだと思うのですが、同時期に同じ質問(電話での口頭)を税務署にしていたのですが、先日「前受けに係る額を除き」の「前受け」には前受収益は含まれないので平成18年3月期の益金に計上すべきといわれてしました。その税務署は「前受け」とは契約書で前受けとして別に受け取った金額だけ前受けだとわけのわからない回答をするのですが、この基本通達の「前受けに係る額を除き」についてさらに踏み込んだ公的な解説或いは判例とか無いでしょうか?もしご存知であれば教えていただけないでしょうか?

補足日時:2005/11/15 09:01
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前払で受け取る売上については、企業会計原則で次のように定めています。



損益計算書原則一A
すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。ただし、未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。
 前払費用及び前受収益は、これを当期の損益計算から除去し、未払費用及び未収収益は、当期の損益計算に計上しなければならない。

経過勘定項目について(損益計算書原則一のAの二項)
前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。

仮に金額的に重要でない費用(例えば水道光熱費)などは、決算期前後のものを当期の費用として継続して処理できますが、年間家賃ということなので、受取時は前受収益などで処理し、来期に売上としていく方が適していると思います。

税務と同じスタンスで安心できますね。
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この回答へのお礼

ご回答頂きありがとうございした。

お礼日時:2005/11/18 13:28

>kamehenがおっしゃるとおりだと思うのですが、同時期に同じ質問(電話での口頭)を税務署にしていたのですが、先日「前受けに係る額を除き」の「前受け」には前受収益は含まれないので平成18年3月期の益金に計上すべきといわれてしました。

その税務署は「前受け」とは契約書で前受けとして別に受け取った金額だけ前受けだとわけのわからない回答をするのですが、この基本通達の「前受けに係る額を除き」についてさらに踏み込んだ公的な解説或いは判例とか無いでしょうか?もしご存知であれば教えていただけないでしょうか?

う~ん、本当に訳のわからない説明ですね、少しでも早く益金に計上させようと言う意図以外に、この通達からそんな解釈は不可能と思います。
法人税基本通達の逐条解説を見ましたが、当たり前すぎて、特に「前受け」について触れておらず、他の部分の説明に多くをさいていました。
判例等も見ましたが、争う余地もないのか、全くそういうものは見当たりませんでした。

そもそもの法人税法の条文を掲げてみます。

(各事業年度の所得の金額の計算)
第二十二条  内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4  第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
5  第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本等の金額の増加又は減少を生ずる取引及び法人が行う利益又は剰余金の分配(商法第二百九十三条ノ五第一項 (中間配当)又は資産の流動化に関する法律第百二条第一項 (中間配当)に規定する金銭の分配その他これに類する金銭の分配として政令で定めるものを含む。)をいう。

上記第4項にあるように、益金の額に算入すべき金額の元になる収益の額については、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるべきものとされており、法令や通達等により別段の定めを設けています。

ですから、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準については、#2さんが詳細に掲げられている通りで、但し、別段の定めとして、最初に掲げた通達で、原則としては契約又は慣習によりその支払を受けるべき日の属する事業年度の益金の額とする旨を定めていますが、おそらく一般に公正妥当と認められる会計処理の基準を考慮して、「前受けに係る額を除き」としてあるものと私は思います。

消費税法もほぼ同じ通達がありますが、実は所得税法の通達においては、「前受けに係る額を除き」という部分がありません。
これは、所得税法において次のように定めているところからと思われます。

(収入金額)
第三十六条  その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。
(第2項、第3項省略)

基本的に、「その年において収入すべき金額」となっており、法人税法のような、「一般に公正妥当と認められる会計処理」という記述がない事から、その差があるものと思われ、私の上の説明の根拠にもなるものと思います。
(但し、個別通達において、一定の要件の元に、その年の貸付期間に対応する賃貸料の額を総収入金額とする事も認められてはいます。)

考え方としては、下記サイトもご参考になるものとは思います。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/i …

顧問の税理士さんがいるのであれば、そちらに話をすべきものと思いますが、そうでない場合、税務署では埒があかないのであれば、場合によっては国税局で聞かれてみたら、とは思います。
(税務署からこう言われた、というのは、それを聞くとそちらを正当化しようとする恐れもありますので、最初は言わない方が良いとは思います。)
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この回答へのお礼

kamehenさんからのご回答大変参考になりました。本当にありがとうございます。

お礼日時:2005/11/18 13:27

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