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No.9
- 回答日時:
#7です。
>質問した甲斐がありました。
:
そのように言っていただけるとは幸甚です。
調子に乗って今少し、#8さんの御発言とも絡めた幾つかに触れてみたいと思います。
辞書について
#1さんも迷われるようにネット辞書には文法用語が明記されていない例が多いようです。
次の二つを足しても「その内容を示す」+「連用修飾語を作る」だけです。
・「デジタル大辞泉」では、「[格助]名詞または名詞に準じる語に付く。」というくくりの中で、その「7 (「からに」「ごとし」「まにまに」「むた」「やうなり」などの上に置かれ)その内容を示す。」としています。それなのに上げられた例文は「「吹く風の見えぬ―ごとく跡もなき世の人にして」〈万・三六二五〉」ですから、これでは「「吹く風の見えぬ」は「名詞または名詞に準じる語」ということに帰結しそうです。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/34931/m0u/% …
・「大辞林 第三版」では、「(5)「ごとし」「ままに」「からに」などに続いて,連用修飾語を作る。」とあります。
http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?sea …
ここで類語辞典にあたると、ようやく次の説明が現れます。
・「類語例解辞典」「【2】「が」にも連体格の用法があるが、現在では、非常に文語的な表現か、ほとんど一語化した結びつきの中でしか用いられない。」とありますが用言での用例がありません。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/thsrs/17151/m0u …
ここで「現在では<非常に>文語的」か「ほとんど一語化した結びつきの中でしか」を明解にしています。
・同じ小学館でも#6さんの「日国」系では初出主義で万葉集を揃えていますが、私の引用した「国語大辞典」はもっとポピュラーな立場からより分かり易い「食わんがために働く」などの用例を上げています。
豊富な用例で助かるのは次の辞書です。
・「学研国語大辞典」「(2)<連体修飾句と「ため」「故」「ごとし」などの形式名詞的な語に挟まれた形で>連体修飾格を示す。文語的な格調を添える。「尽きぬ悲しい夢に酔おう<が>ため、」(永井荷風・ふらんす物語)「人の心を豊かにするが故に…」(夏目漱石・草枕)」
これなら、格助詞「が」の前段が「連体修飾句」であること、「形式名詞的な語」として逆に言えば全てが形式名詞ではないという注でもあり、その上で「が」は「連体修飾格」を成していることにも触れています。
何より「文語的な格調を添える」として漱石や荷風の例文を充てている辺りは面目躍如です。
そして「形式名詞的な語」については次の辞書はそれぞれ慎重です。
・「古語大辞典」「(ハ)形式語「から」「ごと」「まにまに」「むた「ため」などに続く」
・「大辭典」(平凡社)「(二)「如し」又は不完全な副詞(まま・よう等)の上に載って、その意を補ふ。」
これが面白いのは山田孝雄のいわゆる「形式形容詞」としてたった一つしかない「如し」は、活用タイプは形容詞でありながら、「赤し」「悲し」のような実質的意味をもたないのですが、しかし学校文法では比況の助動詞扱いになっているものです。
その辺をデジタル辞書は、まったく無頓着に扱っていますが、また「学研…」では「形式名詞的な」と韜晦させています。その一方、小学館系は「ごと」で扱っていますが、果たしてそれであれば「形式名詞」と呼べるのかどうか。
その点からすると「大辭典」の「「如し」又は不完全な副詞(まま・よう等)」は言い得て妙というべきかもしれません。
これはまた、形式名詞の内、1)実質的意味を失っている、2)連体修飾語(句)を伴わなければならないという、そのどちらを優先させたら良いのかという重点の取り方でその範囲が異なってくる問題にも通じます。
この例のように、辞書によって文法的扱いや、要点の取り方が大きく異なって来るものなので、回答の際にはその辺のどこまで配慮するのが望ましいのか如何にも悩むところです。
No.8
- 回答日時:
No.6、No.7のご両人のコメントで、少し納得が行きました。
お使いの辞書も「日本国語大辞典」ですね。~が+形式名詞(から・ごと・むた・まにま・ため)という形で使われる用法のようですね。これは他の辞書にも出ている事なのですが、「ごと(ごとし)」や「ため」・「から(からに)」・「まにま(まにまに)」・「むた」が例にあがっており、聞き慣れない言葉が多くて戸惑いましたが、実際には万葉集の用例が多く、「波のむた」なども歌の中に出ていたのをかすかに思い出すのみです。
万葉の時代から、長い期間を受け継がれてきた用法なのですね。そのような例は外にもあるのは知っていますが、文語体専用の用法にもかかわらず、現代にも生きているようです。そのため、現代語との隔離感があるのでしょう。
「青空文庫」には「が為に」の使用例は173件も出てきましたが、いずれも古めかしい文体で書かれている作品ばかりでした。
No.7
- 回答日時:
品詞構成としては次の通り、基本は文語体表現限定です。
文語体の用言連体形+格助詞「が」の連体格用法+形式名詞「ため」+副詞端末の「に」
「が[格助詞](一)連体格用法。(2)下の形式名詞(「から、ごと、むた、まにま、ため」等)の実質、内容を示す。「食わんがために働く」」
ため【為】助詞「が」「の」の付いた体言、または用言のい連体形に接続し、形式名詞として用いることが多い。」
(引用:「国語大辞典」小学館)
したがって口語体と、時代限定性のある「が」の連体格用法との組み合わせはかなり抵抗を覚えます。
?「食おうがために働く」→「食うために働く」「食おうとして働く」「食いたくて働く」
まして、用言でも動詞ではなく、動詞の複合語となった形容詞「したい」は「ため(為)」という形式名詞との調和が弱い気がします。また複合語であるだけでなくアスペクトで終了形となる「してしまった」には一層違和を覚えます。この場合は形式名詞は「ため(為)」ではなく「が」を取った「せい(所為)」「おかげ(お蔭)で」などが相応しいでしょう。
「~してしまったせい(所為)で/おかげ(お蔭)で」
なお、青空文庫では「したいがために」3点だけ見つけました。
「お雪ちゃんを 一時 喜ばしたいがために焼き直した形跡が」(中里介山「大菩薩峠」)
「だれも長生きがしたいがために、」(河上肇「貧乏物語」)
「日本人たることを誇りとしたいがために、」(岸田國士「風俗時評」)
その一方で、文語体でなら、例えば「せんがために」で908点あります。
そもそも「誰がために鐘が鳴る」はあくまでも文語調の「誰(た)が」であって口語体の「誰(だれ)が」では受け入れかねます。口語体なら「誰(だれ)のために鐘はなる(のか)」あたりでしょうか。
No.6
- 回答日時:
No.4でhakobuluさんが、No.1、No.2の回答を取り消して、No.3が正しいと書かれていますが、私はNo.2の回答が正しいように思います。
「なるが堪忍、するが堪忍」「恋するがゆえに」「転んでしまったがために」「5分遅れたがゆえに(ために)」「演じるがさまは」とは現代でもたまに使われる表現です。
古文では、「故郷は遠くもあらず一重山越ゆるがからに思ひぞ我あがせし(万6-1038)」もあります。
辞書には、《「が」:格助詞(1)「連体格用法。受ける体言が、下の体言に対して修飾限定の関係に立つことを示す」》とあります。(精選版日本語大辞典)(1)-2で、《下の形式名詞(「から、ごと、むた、まにま、ため」等の実質、内容を示す)》と解説が続き、万葉集の例が2つ出ています。
この辞書の説明によるなら、「ゆえ」「ため」「さま」の形式名詞の内容を限定するために「が」を先行させ、「が」の前に「ゆえ」「ため」「さま」を限定的に修飾する文などを述べているのだと思います。(連体形になっている)
「なるが堪忍、するが堪忍」は、「なる(の/こと)が堪忍(である)、する(の/こと)が堪忍(である)」とも理解(主格をさす)できますが、堪忍の実態内容を限定的に内容を示しているとも理解できないことはないと思います。
「君のため」を「君がため」、「険しきさま(様)」を「険しきがさま(様)」ともいいますが、これも「ため」や「さま(様)」の実質を表現するときの「が」の用法だと思います。
No.5
- 回答日時:
これは意外に難しい質問と感じて口を出しかねていました。
「が」は、No.3の方がおっしゃるとおり「連体格」の「が」と思いましたが、その「が」がどういう役割りを果たすために置かれているのか、はっきりできませんでした。「~したいが為に」、 「~してしまったが為に」は、現代語でいえば、「したい為に」「してしまった為に」と言い換えてしまえばいいのですが、昔は「~したき為に」「~したる為に」とは言えず、「~したき<が>為に」「~したる<が>為に」と言わねばならなかったのでしょうか。そのあたりがよく分かりませんでした。
この「が」は、「我が家」「君が代」に残る「の」の意味の格助詞で、わ(代名詞)+が(格助詞)+家(名詞)だったもので、現代では「連体詞」の「我が」に転成されています。また「君が代」は一語の「複合名詞」とされているようです。その「が」が入り込んだものでしょう。
この連体格の「が」は古文では「~したいが為に」といまだに残る用法であるのに、現代文では「の」をもつけられず、「~したい為に」になるのが、説明しにくい所ですね。単なる接続の問題と割り切るでは、もう一つ不満が残ります。
この話は、質問者には何の関係もない話なので無視してください。
No.3
- 回答日時:
この「が」は古語における格助詞で、連体修飾格です。
します。つまり、現代で言うと「の」に近いものです。現代語の「の」は、用言の後にくっつくことはありませんが、この「が」は用言を直接、体言につなげることができます。http://ameblo.jp/aiaia18/entry-10928646217.html
つまり、「したいが為に」は「したいということの為に」ということです。「したいの為に」とはできませんから、「こと」という体言をくっつけてみました。
この「が」は、古語ながらも、現代でも広く用いられていますよ。一番簡単なのは、「我が」。「我」一字でも「わが」と読みますが、これは「我(われ)の」ということです。
No.2
- 回答日時:
#1です。
すみませんが、修正があります。×
「何の為か」という内容を説明(修飾)しているわけです。
○
「~したいが」や「~してしまったが」の部分は、続く「為」の内容が「どのようなものであるのか」ということを説明(修飾)しているわけです。
No.1
- 回答日時:
この「が」は、下記辞書の、【(5) 「ごとし」「ままに」「からに」などに続いて,連用修飾語を作る。
「山は人の無力をあざわらう-ごとくそびえている」 「たけき河のみなぎり流るる-ごとし/徒然 155」】という用法です。http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?sea …
「何の為か」という内容を説明(修飾)しているわけです。
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