No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>これって異性体あるんですよね?
生成物の中で異性体を生じ得る「部分構造」はどこか?を考えれば、
原理的に生じ得る異性体数が そんなに多くないことがわかるでしょう。
以下も参考にテキスト等お調べになると、安定な(できやすい)異性体も
予想できるかと思います。
>H2Oしか思い浮かばないのですが、
2 C6H5CHO + CH3(C=O)CH3 → C6H5-CH=CHCOCH=CH-C6H5 + 2H2O
という反応式を一気に考えると、行き詰まってしまうかもしれません。
主反応の最終生成物に注目すると、副生成物は水だけですね。
ここで言う副生成物は、主生成物以外に「できてしまうもの」でしょう。
Claisen-Schmidt反応を「○○と××から△△ができる反応」と
考えず、アルドール反応(縮合)の1種と考えてみましょう。
アルドール反応は、カルボニルのα位の水素がプロトンとして引き抜かれ、
できたカルバニオン(エノラート)が、別の "かるぼにる" に付加して、
β-ひどろきし-カルボニル化合物が生成し、この生成物から(反応条件に
よっては)脱水してα,β-不飽和カルボニル化合物になる反応ですね。
平仮名を混ぜた理由はお気付きと思います。
Claisen-Schmidt反応の「カルボニル化合物」と「かるぼにる化合物」
は何ですか? 原料のうちα-水素があるのは? 多段階の反応をたどって
みると、中間生成物がいくつも書けますでしょう? それが残れば・・・
「考え方」は「経験者」のつもりですが、私はこの反応をやったことが
ないので、「自信なし」としておきます。
どうもありがとうございます。
副生成物の意味を取り違えてました。最終的に残るものとしか頭になかったです(苦笑)
反応機構をたどっていく所々で出てくる中間生成物なんですね。
ただこれらって実際の実験ではどのようにして除去されるのでしょうか。参考書等探したのですが載ってませんでした、、、
No.2
- 回答日時:
loveobo さんの回答がありますので,簡単に補足だけ致します。
ベンジリデンアセトンの異性体に関しては,以前に類似質問「QNo.144359 クライゼンーシュミット反応」(↓)がありましたので,御覧になって下さい。詳しいことは,そこで紹介した「最新有機合成反応 第2版」(Herbert O. House 著,後藤俊夫・江口昇次 訳,廣川書店,昭和49年)を御覧ください。
副生成物に関しては,loveobo さんがお書きのように,アルドール反応として考え,カルボニル基を持つ化合物すべてについて反応したら何ができるかをお考え下さい。なお,loveobo さんは「中間生成物」とお書きですが,生成物にもα,β不飽和カルボニル基があります。考えるだけなら,これらが反応する事も考えられますよ。
私もこの反応はやった事はありませんが,アルドール反応や副生物に関する考察の経験があるという事で,「経験者」です。
参考URL:http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=144359
どうもありがとうございます。URL参考になりました。
異性体は頭で思い浮かべると4種だと思いがちですが、3種なんですね。
α,β不飽和カルボニル基について参考書をあたってみます。
No.3
- 回答日時:
あっ! Michael忘れてた。
rei00さん、適切な補足ありがとうございます。#今後も宜しくお願いします。
yamikuro2001さん、「考え方」として+αのヒントになりますか?
この回答への補足
参考になりました。
loveoboさん、rei00さん、今後ともよろしくお願いしますm(__)m
マイケル反応はこれから調べてみます。
No.4
- 回答日時:
「補足」としてコメントがありましたので、何か書かなきゃいけない
気になって、蛇足を
「副生成物・・・除去されるのにはどんな条件」とお書きでしたが、
人名反応として知られているくらいですから、条件さえ工夫すれば、
それほど副生成物は多くないかもしれません。私が「副生成物の可能性」
について書かせていただいたのは、個々の暗記より考え方に親しんで
いただきたかったからです。rei00さんの補足も同じ思いでは?
混ざってしまった副生成物(不純物)は、それぞれの物性の差を利用して、
(抽出、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー・・・)除去することに
なりますが、実際には(卒業研究から化学工場に至るまで)職人芸的な
センスも重要だったりします。
「論理的な思考」と「職人芸」の同居が有機合成の面白さ?!
No.5
- 回答日時:
rei00 です。
loveobo さんの追加回答を拝見して,私も補足(余談?)をチョット。yamikuro2001 さん,
> 副生成物の意味を取り違えてました。最終的に残るもの
> としか頭になかったです(苦笑)
> 反応機構をたどっていく所々で出てくる中間生成物なんですね
いえ,副生物は「最終的に残るもの」であっていますよ。「反応機構をたどっていく所々で出てくる中間生成物」が残らなければ,「中間体」であって「副生成物」ではありません。loveobo さんもチャンと『中間生成物がいくつも書けますでしょう? それが残れば・・・ 』と書かれています。
> 私が「副生成物の可能性」について書かせていただいたのは、
> 個々の暗記より考え方に親しんでいただきたかったからです。
私も同じです。私の回答も loveobo さんの回答もあくまでも「可能性」です。実際にどうなるかは分かりません。
反応を行なう場合は,考えられる「可能性」を全て考え,その程度を推測する事で,その反応が実用になるかどうかを判断します。もちろん,必要な場合は文献調査や余試験(小規模での実験やモデル実験)を行ないます。
loveobo さん,
>「論理的な思考」と「職人芸」の同居が有機合成の面白さ?!
そうですね。そのおかげで「有機合成」に限らず広い知識とテクニックを身に付けることもできますね。だからでしょうね,私の大学院生時の指導教官の言葉に「有機合成をやった者はつぶしがきく」があります。実際そうだと思いますね(私も合成から構造決定につぶれた?口です)。
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