「これはヤバかったな」という遅刻エピソード

FT-IRのピークシフトは何故起こるのでしょうか?

例えば、Aという物質があるとして、C-H bend が1055 cm-1 付近に出現するとします。これにBという添加物を加え、反応させた後のスペクトルでは、 C-H bend が1075 cm-1 へとシフトしたとします。

このときの20 cm-1のシフトはどうして起こるのでしょうか?

よろしくおねがいします。

A 回答 (2件)

振動運動(単振動)の基礎から考えれば、古典力学の振動の周波数はフックの法則から、力の定数(バネならバネ定数)と換算質量で表されます。

分子の振動についても同じ事がいえます。換算質量がかわれば、たとえばC-HがC-Dに変わればいわゆる同位体シフトで、周波数が大きく変わるでしょう。

一方力の定数ですが、これは例でいえばC-H結合のC-Hがお互い引き合う力(bentであればbent方向のポテンシャルの深さ)と考えればいいでしょう。これが反応で変わる状況はいろいろ考えられます。

mkd04さんが考えておられる系がどういった系かにもよりますが、たとえば固体であれば、周りの結晶の配置が変わるだけ(結晶に昇温操作をくわえただけ)でも、この力の定数が変わります。これがいわゆるマトリックスシフトやサイトシフトと言われる物です。このようなことは液体でも起こるでしょう。

気体での事を考えられているようでしたら、これは分子の注目しているC-H結合の周囲が反応によって変わり、C-Hにおける電子の密度などが変われること等でもシフトすると思います。大きな分子などでは、炭素鎖から考えれば遠い場所の変化であっても、分子鎖の折りたたみ方で近くなったり、遠くなったりという違いが出れば、シフトすると思います。
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環境が変われば、ピーク位置はシフトします。



IRの場合、ピークとして現れるものは、原子と原子の結合を揺らす(振動、伸縮)のに必要なエネルギーです。つまり、反応することにより原子間距離が変わったりすると、ピークシフトを生じます。(他にも原因はあると思いますが、わかりやすいのはこういうことだと思います)

よく言われるのは、水酸基やカルボキシル基が水素結合したりしなかったりして原子間距離が変わってピークがシフトする、云々ってことですね。
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