
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
No.5です。
回答してすぐ気が付いたのは、「完了のし」などを説く人はそんなに多くはないはずだということでした。じつは回答の最後に付け加えてた句もそういう懸念があったからです。
恐らく、先生の言いたかったのは、「し」を終止形として使いなさいということだったと思います。(連体形として使う方法が間違いというわけではありません)
美しき人にも見えし煤払ひ
という句の「し」は「終止形」として使われた「し」で本来の終止形だった「き」に代わって使われています。先生から見れば、この「し」の用法が正しい用法だということでしょう。
その実例
(3)連体形「し」が、係結びの場合でなくて文の終わりに用いられることがある。
「源氏‐夕顔」の「君は、御直衣姿にて、御随身(みずゐじん)どももあり<し>」などは、「連体止」による詠嘆的表現、「徒然草‐三二」の「その人、ほどなく失せにけりと聞き侍り<し>」や「浮世草子・西鶴織留‐三・一」の「貧者は我と身を引て、わづか成乱銭(みだけぜに)のそばへも寄かね、心にやるせなかり<し>」などのような中世以降の例は、口語動詞の連体形が終止形にとって代わったのと相応じて、単なる終止用法へと変化したものと考えられる。
既に「源氏物語」に使われているのですが、この連体形止めの話をつづけると、室町時代から近世にかけての「連体形が終止形になったこと(言い換えれば連体形と終止形の同一化)による活用語の大変化の話題になりますが、あまりにもながくなるので止めます。
上記のような使用例は特に俳句のなかに取り込まれて、それが(特に「し」が)切れ字の働きをするようになります。結果的に「形容詞の終止形」が切れ字の働きをするのと同列に考えられます。勿論、同一ではありません。短歌には「切れ字」がないので、「し」の使用についてあまり問題にしないようです。
例 「朝露に汚れて涼<し>瓜の泥」
多分、先生は、このように使うべきだと言いたかったと想像します。ただ、通常の連体形の使用を否定すべきではありません。
「お戒壇巡りし先に新樹光」は、「し」の使用を止めて、「お戒壇巡りて新樹光りけり」などはどうでしょうか。
初心者の二度もご回答いただいてありがとうございます。
詳しく説明していただきましたが、よくわからないと言うのが正直なところです。
でも、結論として、「し」は連体形では使わない方が無難、使うときは終止形で使うということなのですね。
具体的に教えていただいて、とても助かりました。
先生にも時間に余裕のある時に質問してみようと思います。
「お戒壇巡りて新樹光りけり」
とても良いと思います。
このように作れば良かったですのですね。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
複数の人が同じ「し」の使用について誤用を指摘されたのであれば、No.1の方が引用されたサイトで言われている「完了」の「し」の可能性がつよいですね。
以下、私が書くのはこの説の批判ですから、教えてもらう師匠が大切であれば、無視してください。
「し」は過去(回想)の助動詞「き」の連体形です。それを特に取り出して「完了のし」というのか理解しがたいところです。ほとんどの辞書は「完了のし」には触れていません。
どうやら関係のありそうな記述は、「日本国語大辞典」と「古典を読むための助動詞と助詞の手帖(學燈社)」
その部分を引用します。
[日本国語大辞典]
[語誌]
「き」の活用は、カ行系の活用とサ行系の活用の取り合わせである。そのうち、少なくとも「し」は、次の例に見られるように古くは変化の結果の状態(口語の「…している」の意味)を表わした。
「古事記‐中・歌謡」の「みつみつし 久米の子らが 垣下に 植ゑ志(シ)椒(はじかみ) 口ひひく 吾は忘れじ 撃ちてし止まむ」や「古事記‐下・歌謡」の「下枝(しづえ)の 枝の末葉は あり衣(きぬ)の 三重の子が ささがせる 瑞玉盞(みづたまうき)に 浮き志(シ)脂(あぶら) 落ちなづさひ 水こをろ こをろに」など。上述のようなテンスとしての過去の意味は、こうした変化の結果の状態というアスペクト的意味が、現在以前に変化が完成したことを表わす意味に発展して成立したものと思われる。
なお、後世にも、「我がそのの咲きし桜を見渡せばさながら春の錦はへけり」〔為忠集〕、「思ひきや賀茂の川波立ちまちにかわきし袖にかけんものとは」〔広本拾玉集(関西大学蔵本)‐二〕のように、変化の結果の状態の意味を表わす例が存在するが、これは口語の「た」の用法に引かれこうした用法が生じたものである。
「古典を読むための助動詞と助詞の手帖(學燈社)」
「き」の意味の②に次のように書かれています。
②完了の意味を表す。平安末期以後になると、「き」「けり」「たり」の区別が曖昧になっていく。そのために、「き」を「たり」と同様に用いた例が出てくる。『わがそのの咲きし桜を見渡せばさながら春の錦はへけり』(為忠集)[私の庭に満開になっている桜の花を見渡せばそっくりそのまま春の錦ととして耀いているなあ]
『私註』 この「し」を「ている」の意味に取ったのが、「たり」の「完了・存続」の存続と考えた事になる。しかし、先に引用した、「日本国語大辞典」の後段において否定的見解が示されているものです。いわば誤用に属するものです。古文体を用いる「短歌・俳句」の指導者が教える「完了」の「し」が誤用であることがこれではっきりします。「記紀」の歌謡の語法がそのまま残されているのではなかったことも明らかです。
ただ、「誤用」が「言葉の変化に大きな役割を果たしているのは確かです。しかし、古い誤用を昔に遡って若い人に押しつけようとする指導者には感心しません。これが私の見解です。
こんなものを思い出しました。
美しき人にも見えし煤払ひ (季節違いですが)
No.4
- 回答日時:
「し」は、どういう意味で使ったのですか?それが答えですよ(^_^;
文字数を簡略化するためだけに使ったというのであれば、意味を成してしません
「し」は「◯◯している」という意味ですから、「デパート巡りしている後のアイスコーヒー」だと、おかしな文章だと気が付きませんか?
今なの?後なの??(^_^;
「し」は過去形、あるいは過去完了のつもりで使いました。
捕捉に書きましたが、「デパート巡りし後のアイスコーヒー」には反省しています。
もう少し文法を勉強しようと思います。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
藤村の詩句の「し」をよ~くご覧あれ。
「し」の直前の語「前髪」「とき」が作者の心にいかに新鮮に感じられたかが分かると思います。つまり「し」は俳句で言う切れ字の働きも兼ねているわけです。その「初めて結い上げた」髪やその「瞬間」に万感の思いがこもるわけで、単に過去や完了だから何時でも使える訳ではありません。
その上で、貴兄の句を読み返し、「巡りし」にそのような感動があるかどうか?ご一考頂けばよいのでは。
なるほどです。
単に文法の問題だけではないのですね。
捕捉に書きましたが、真っ暗闇をくぐった後で目に鮮やかな緑に出合った感動を詠みました。
それなのに、デパートの後のアイスコーヒーはひどい例でした。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
いろいろな説があるようですね。
多分「それでいい」という説もあると思います。
なぜ間違っているのか、聞かれた方が良かったように思います。
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2013/12/blog-pos …
ご回答ありがとうございます。
教えていただいたサイトに行ってみました。
私にはなかなか難しく理解できたとは言い難いのですが、要するにそれぞれの先生方の考え方なのかと思いました。
先生が「間違いです」とおっしゃった時にもっと説明をお願いすればよかったのですが、教室では毎回時間が足りなくギリギリなので、躊躇してしまいました。もう少し余裕ができたら質問してみようと思います。
ありがとうございました。
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駄作を書くのが決まりが悪くて、変な例を書いてしまいました。
もともとの句は、こうです。
「お戒壇巡りし先に新樹光」
初めからちゃんと書くべきでした。
NO7の OKATさま、お礼の文の書き出し部分ですが、「初心者の私に」と書いたつもりが、「の私に」が抜けて変な文章になってしまいました。
申し訳ありません。